絶滅危惧種リカオンの応援ブログ

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リカオンについての説明や情報を発信しています。2018年から投稿を始めました。アフリカにあるリカオンの保護団体や、動物園からのリカオンに関する情報、リカオンに関する情報はなんでも投稿しています。

リカオンの前足の研究について読売新聞の記事

リカオンの足の進化についてよみうり新聞に記事が出ていたようで、リカオン仲間がお知らせしてくださいました。

こちらのニュースは少し前から外国のニュースにも取り上げられていましたがついに日本でも報道があり嬉しいかぎりです。

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画像提供:リカオン仲間

実はこの記事の、詳細バージョンが以下のニュースでご覧いただけます。

phys.org

この記事を簡単にまとめると、リカオンの体を研究した科学者が、リカオンの第一指に着目して長距離を走り抜いて獲物を捕らえるようになったということを解剖学的な文献にして発表したということです。

リカオンの狩りは獲物を追いかけ続けて疲れたころに襲う、というあまり他の動物ではみられない実にユニークな狩りの仕方をしています。またリカオンには4本しか指がないということも他のイヌ科の動物と比べて大きく違うところです。この4本指の足がリカオンの狩りにどのような影響を与えるかの研究は今までされてきていませんでした。

リカオン絶滅危惧種で、一カ所にとどまらずに約3000平方キロメートルを移動して暮らしており、完全に形成されていない第一指の4本指歩行のため、早く走れたり、長距離の狩りや移動がしやすいのではないかと考えられていました。

PeerJに掲載された研究結果によると、ある動物園で自然に亡くなったリカオンの屍をコンピューターの画像を使ってみて見ると、その画像からなんとリカオンの皮膚の下にうっすらと第一中手骨を発見したのです。リカオンはそれまで考えられていたような完全な4本指というわけではなかったようなのです。

発見したヘザー・スミスさんはリカオンの第一指が不完全なかったことによって、その周りの筋肉が再編成されて、自分の位置や動きに対する体の知覚をを助けていると言っています。また、筋肉の再編や、再利用がどのようにされているかも解明したと発表しています。

さらに、手首に靭帯をみつけ、この組織のおかげで前足を出す時に筋肉をあまり使わず前に進める力を与えて、それが持久力の維持と手首の筋肉の疲れを予防しているのではないかという事も発見しています。これは馬の足にあるバネの役割をしている靭帯と似た機能を持っています。

その他の筋肉も長距離走に適応して、手首の回転する筋肉は比較的減少し、前腕の2つの骨を結ぶ太い靭帯が発達して、手首と前足の安定性を向上させています。その他運動する時の関節の安定やエネルギー保存に関係するいくつもの筋肉も、他の動物と比べ非常に拡大しています。

リカオンの前足についての解剖学的な研究発表がこれが初めてで、 なんとヘザーさんはミッドウエスタン大学のアリゾナキャンパスの方でした。もしかしたら、研究の対象となったリカオンは、フェニックス動物園のリカオンかもしれません。

研究の記事にでているリカオンの前足の筋肉を、日本語にしてみたもあるので、ご参考までに、、。私は科学的なことはさっぱりわかりませんが、こちらが詳しいリカオンの前足の説明ですね。この中手骨1というのが今回みつかったリカオンの第一指ですね。

 

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筋肉の名前についてはこちらの資料を参考にしました。(とても難しい専門用語だったので、私の日本語が正しくかもしれません。間違っていたらご指摘下さいませ。)

https://www.jpn-ava.com/NewHP/Glossary_PDF/002.pdf


ところで、これはとても聞き取りやすい音声での説明。↓

learningenglish.voanews.com

リカオンの4本指はなんとみえないだけで、5本目もひっそりとあったのですね。本当に不思議な動物ですよ、リカオンは。