絶滅危惧種リカオンの応援ブログ

絶滅危惧種のリカオンに関する情報を発信し、保護活動に貢献することを夢見るブログ

リカオンについての説明や情報を発信しています。2018年から投稿を始めました。アフリカにあるリカオンの保護団体や、動物園からのリカオンに関する情報、リカオンに関する情報はなんでも投稿しています。

リカオンについてのPodcast

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久しぶりにリカオンについてのポッドキャストをみつけたよ!

www.sciencefriday.com

内容は、まず、リカオン絶滅危惧種の動物で現在個体数が6000頭にまで減っている事、それから、大変優秀なハンターだということの説明があります。(冒頭6000頭と言われていますが、だいたい、6600頭ということで知られています。)

リカオンと家畜を飼っている人間とリカオンが家畜を狙うことについて話されています。クリスティー・テイラーさんというリカオンの保護活動をしている方にお話を聞いています。

リカオンは優秀なハンターなので、リカオンにとっては簡単な獲物、すなわち家畜を狙ってしまいます。しかし、それを阻止したい家畜を飼っている人間が、毒を撒くため、それがリカオンやライオン、ジャッカルにまで影響を及ぼしています。

そこで大切なのが、リカオンなどの捕食獣が家畜に近づかないようにすることで、現在科学者の中でその研究が進んでいます。ギャビー・フラリーさんがフルブライト奨学金を受けている科学者で、ナミビア南アフリカケニアボツワナリカオンの研究をされています。彼女は、3歳の頃から動物の保護活動をすることを決めており、大学生になってから、彼女が好きな動物たちが環境に与える影響が大きいことに気がつき、また人間と野生動物との軋轢が大抵の場合は、ネガティブな影響を与えることも気がつかれたため、どうしたら、家畜を持っている人と、テクノロジーで野生動物が共存できるかを研究しています。

ギャビーさんは来年、フルブライト奨学金ボツワナでプロジェクトを開始します。ボツワナには、約6600頭のリカオンのうち、約1/3が生息しています。そのため、保護活動を必要としています。

ギャビーさんはリカオンの社会性や高い知能に魅了されています。彼女はもともとナミビアで農民たちにリカオンの群れが殺されてしまい、その子リカオンたちをリハビリ施設で保護した経験があります。研究によれば、リカオンが家畜を襲うよりもジャッカルが家畜を襲う数の方が多いという結果も出ていますが、農民たちにリカオンがとても嫌われているということに興味を持ちました。ナミビアのマサイ族からは、家畜被害の補償を提案され、ライオンの殺戮がへり結果良好だったようです。通常は補償金を支払うということはあまりやっていないということも話されています。この場合は、先方からの提案を受け入れたということで、成功事例と紹介されています。

通常、捕食獣は野生の動物を狙うのですが、捕まえるのが大変な時は、簡単に捕まえられる家畜を狙うことは自然の成り行きです。いろんな要素が重なり合っての捕食獣の行動なので、ギャビーさんは、テクノロジーを使ってなんとかできないかと模索しているのです。

この人間と野生動物との軋轢を少しでも軽減するために、原始的な方法からハイテクな方法まで様々なことを試されました。一つが、野生動物を脅かして逃げて貰う方法。例えば、懐中電灯を持って人が歩いているように見せる点滅するライトの使用して野生動物を近づけないようしたり、オーストラリアなどでは、よく、パチンコ店の前(車屋さんの前で、と言ってますが、都内では、パチンコ屋の前によく見かけるのでこの説明の方が想像しやすいかと思って)で、空気で膨らんでいらっしゃいませと手を動かすような人形を置いてディンゴ除けにしたり、羊や山羊に首輪をつけて、走り出すと動物にだけ聞こえる高い音を出すものをつけて、捕食獣を翻弄させたりするものを使っています。ただ、結局のところ、捕食獣は頭がいいので、そのうち慣れてしまいます。なので、しょっちゅう方法を変えていないと、結局効果がありません。

野生動物との軋轢は、家畜が狙われることだけが問題なわけではないため、地元民との密なやり取理をすることがとても重要になってきます。前述した、家畜の減少は実はリカオンよりジャッカルが犯人だということも、現地民にはわかっていないことでした。野生動物の生息地がますます奪われる状況のなか、保護活動が重要になっていますが、現在80%の野生動物は保護地区以外に生息しています。ということは、地元民と生活を共にしているというのが現状です。人間も野生動物も、かつてのような場所がなくなってきているため、ますます共存が難しくなっています。そこで、環境学のほか、人類学的な考えで例えば研究を始めるまえに、地元民と接触し、一緒に研究を考えていくという協力体制もとても重要な鍵になっている、ということでした。

上記がポッドキャストの主な内容です。

具体的にリカオンを家畜に近づけないために何がされているのかはお話しされていなかったので、気になります。それにしても毒を撒くだなんて、怖いです。人間の勝手で毒を撒いて、、しかも、毒を食べた捕食獣が死んでも、結局自分たちに返ってきそうです。

さて、このポッドキャストを聞いた時に思い出したのが、数年前から書店でいつも平積みになっている、FACTFULNESSという本です。私はこの本を本屋でみて、パラパラしただけで本格的に読んだことがありません。でも、すごく印象に残っているのが、見開きのチャートです。

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出典:https://terilogy-tech.hatenablog.com/entry/2020/09/02/171622

リカオンが生息している国々は、チャートの左下に多く位置しています。そして、日本は人の寿命が長く、所得も高い国として右上の方に位置しています。このような日本に住んでいる自分は、チャートの左下の位置している地元民を理解してリカオン保護に協力してもらえるだろうか、と思うとてつもなく困難に思えます。ただ説明するだけでなく地元民の保護もしなければ、リカオンを守れないだろうということがよくわかります。ですのでこのポッドキャストに登場しているギャビーさんの活動には尊敬の念しかありません。