リカオンの精子についての研究のニュース
リカオンの精子についての研究が発表されました。群れのトップだからといって、精子がよい、というわけではない、という研究結果。
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この研究によると、リカオンのオスの精子を調べたところ、アルファメール(群れの中で一番優位なオス)と、その他のリカオンの精子には特に違いがあるわけではありませんでした。
では、なぜリカオンは群れのなかで、アルファペアと呼ばれる、オスメスの最も優勢なカップルしか繁殖できないのでしょうか?それは、、、アルファメールの愛情が強すぎるからだったようです。
リカオンのアルファメールは、相手のアルファフィメールとつがいになったら、片時も離れようとしないからです。いつでも、アルファフィメールを守っていて、いつもそばにいて、アルファフィメールを一人にしません。
例えば、この写真では2頭のリカオンがつがいかどうかはわかりませんが、例として、こんな風に、つがいのリカオンがべったりだったとしたら、、、
リカオンは仲間同士で仲良しで、たしかに群れで一番のオスがこんな風になっていたならば、もう、仲睦まじいし、邪魔する気にもならない感じで、じゃあ、みんなで、お前たちの子供守るよってなるのでしょうか?
こちら、インスタのコメントから、まさに性行為の終わったあとのリカオンのつがい。やっぱり仲睦まじいです↓
また、こちらは、過去に放送されたBBCのドキュメンタリーの一部、リカオンのつがいが、いつでも一緒というセグメント↓
なんと、父親のアラジンは、奥さんのフェザーさんのそばを一瞬たりとも離れないのです。オールウェイズトゥゲザーって言ってますね。休んでいる時も、アラジンはフェザーの上に顔を乗せたり、手を乗せたりして守っているそうです。
これだけ仲睦まじく、いつもそばにいたら、他のオスが近づくこともできないですね。人間の女性からしてみれば、そんなにケアして一緒にいてくれる旦那さんが理想ですね。リカオンは人間の女性の理想のダーリンですね。
さて、本題に戻ります。このリカオンの精子の研究をしている方は、精子の状態が、優勢のオスとそうでないオスで違いがないため、リカオンの遺伝的多様性に役立てようとしています。
例えば、数頭で離れたところにいるメスのリカオンたちを対象に、ある群れでアルファになれなかったオスのリカオンを近づけてあげれば、そのオスがアルファになり、多様性が生まれるということらしい。これはすでに自然界で行われていたことなのですが、生活する場を奪われたリカオンには、人間が介することはよいことかもしれない?
この研究をしている大学では、リカオンの精子の凍結にも成功しているので、万が一リカオンの個体数がこれよりもまだ減る場合、役にたつかもしれません。しかしリカオンは、イヌ科の動物で自然繁殖力がとても強く、人工授精の必要はいまのところないという意見もあります。