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【悲報】マナプールズでのリカオン個体数激減

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Photo Credit: Bushlife Safari (Violet and her pups)

およそ一年前、NHKワイルドライフで放映されたリカオンの番組は、ジンバブエのマナプールズというところで撮影されました。もともとは、BBCの番組でリカオン知名度は一気に上がりました。

そのマナプールズで、リカオンの個体数が激減しているというニュースがありました。

www.rfi.fr

記事はリカオンの保護団体、Painted Dog Conservationのディレクター、ピーター・ブリンストンさんの話のお話が掲載されています。

約10年前、マナプールズではリカオンの個体数がおよそ100頭いましたが、現在では5分の1の20頭にまで激減しています。その理由として4つの原因が挙げられています。

  • 天敵
  • 土壌
  • 近親相姦
  • 観光地化

まず天敵の数は主にライオンやハイエナの数が影響している可能性があります。リカオンに比べればライオンやハイエナの方がはるかに有名なので手厚く保護されているかもしれません。そのライオンとハイエナの数が増えれば、リカオンの天敵なので個体数が減るのも無理はありません。

次に、マナプールズの土壌の問題が挙げられています。例えばワンゲ国立公園と比べてマナプールズの土は硬いようです。そのためリカオンが自分たちで巣穴を掘ることが難しくなっています。毎年リカオンは同じ巣穴に戻ってきて出産をして子供を育てますが、巣穴にノミが発生した時などは、巣穴の移動を余儀なくされます。しかし自分たちで巣穴を掘れないため、土ブタなどが立ち退いたあとの巣穴を使います。これがリカオンの減少なのかもしれません。

さらに、近親相姦の問題があります。現在マナプールズのアルファメスはバイオレットという名前で、ワイルドライフで有名になったブラックチップとジアニです。しかし去年のお産では、バイオレットの交配相手はジアニでした。現在は、兄弟のサージの赤ちゃんを産んで、7頭の子リカオンを立派に育てています。今のところ7子リカオンたちは元気に育っていますが、このような交配が余儀なくされている現状がリカオンの減少の原因なのかもしれません。

(こちらで授乳中のバイオレットの動画が見れます。

www.facebook.com

さいごにマナプールズの観光地化が、リカオンの子育てなどに大きく影響しているのではないかという懸念があります。 ピーターさんはそれをとても恐れており、今後観光客は巣穴の付近に行くことは研究のためなどの目的以外は禁止するなどきちんとした規制をしたよいだろうという意見です。かわいいいリカオンを人に見てもらいたい、しかしそうすることにより子リカオンたちの成長が阻まれるとそれはそれで辛いのでここにジレンマをかかえるとは言っていますが、ここは個体数を増やすことを優先すべきでしょう。

こちらの記事に、ニュースをフォローする記事がでていましたのでリンクします。ファミリー・ツリーなども掲載されており、なつかしいテイトの名前なども出てきます。

www.bushlifesafaris.com

貴重なリカオンの個体数が激減しているという事実は悲しくて、なんとしても食い止めなくてはいけないとは思うのですが現地の保護団体、リカオンの専門家がいるにもかかわらずこの現状ということに、今後の個体数の回復が難しいのではという心配しかありません。現在マナプールズではコロナウイルス拡散防止のためにロックダウンされておりますが、もうすぐ解除になる予定です。そうなった時に観光客がまた増えたり、病気が持ち込まれるのではないかという心配もあります。難しい世の中になりました。

追伸:ワイルドライフの感想

lycaonblog.hatenablog.com