リカオンのマーキング 共同トイレについて
リカオンのマーキングについて興味深い研究結果が発表されていました!
これはボツワナにあるリカオンの保護団体、Botswana Predator Conservation Trustの研究結果で、今までリカオンの移動というものはランダムだと考えられていたのですが、個体をよく観察し、なんとマーキングを通して群れ同士がコミュニケーションを取っていることがわかりました。
リカオンの行動範囲が広すぎて今までははっきりとわからなかったのですが、ある日、ある群れを離れたメスのリカオンが1ヶ月ほど前にマーキングをした箇所を興味本位で調べていると、なんとその場所が他のリカオンの群れの集合マーキング場所になっていたのです。この写真の場所がイカオンの集合マーキングになった場所です。
マーキングの時間はとても短かかったため、今まで誰も気がつくことがなかったようです。カメラトラップを設置してみてみると、早朝や夕方の狩りの時間、そして新月の真っ暗な夜にもマーキングに立ち寄っているようです。
この共同トイレを通して前の群れからのメッセージを別の群れが受け取ったりして、リカオンたちの掲示板のような役割を果たしているのです。
なんとこの共同トイレは4年間もの間リカオン同士に利用されており、研究者は現在14の共同トイレをモニターしているとのことです。
この研究は、リカオンの縄張りをコントロールできるようにするために重要となっています。リカオンがうっかり人間のいる場所にいって射殺されないように、うっかり家畜を食べないように、人工的にリカオンを誘導できるようにテリトリーを管理できないかという目的です。どうかこの研究が身を結び、リカオンが少しでも安全に暮らせますように。むしろ人間が決められた場所でしか行動できなくなるほうがいいのだろうけども、、、
それにしても4年間の間の細かい作業、リカオンの個体の識別から、膨大な量のデータを研究してこのような結果を導き出せる科学者は本当に素晴らしいです。数年前から流行っていたビッグデータがここでも活かされていますね。