絶滅危惧種リカオンの応援ブログ

絶滅危惧種のリカオンに関する情報を発信し、保護活動に貢献することを夢見るブログ

リカオンについての説明や情報を発信しています。2018年から投稿を始めました。アフリカにあるリカオンの保護団体や、動物園からのリカオンに関する情報、リカオンに関する情報はなんでも投稿しています。

リカオンを引き合いに出すのはやめてくれ

トロフィーハンターとかいう種類の人間がいるらしいのをご存知でしょうか。こちらのニュースをご覧ください。

www.scmp.com

どうやら、この人間たちは、趣味で動物たちを狩猟しており、その活動が、自然保護に役立つと信じている人たちのようです。わたしには全く理解ができない考え方をしています。

人はそれぞれなのですが、ただ、ひとつ、どうしても反論したいことは、リカオンを引き合いにだして、自分たちの行動のほうが人道的とかいう感じのことを言うことはやめていただきたい。

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この人たちのいいぶんは、リカオンがヌーをおそって15分ほどで生きたまま食べることに対して苦言を呈しています。自分たちはそんな痛みを与えるような残酷な殺し方をしないというんだけど、一体何言っちゃってんの、という気持ちです。

好きなリカオンを責められたり、悪く言われると、ただでさえ誤解されているリカオンなので、黙っていることができません。

リカオンの狩については1970年代に、ジェーン・グドールさんが以下のように記述をしています。

『獲物の死の苦痛は』

リカオンがもっともきらわれるのは、かれらが獲物を殺す時、相手が生きているのに、内臓をひきだして殺すという方法をとるからである。そして、このために、リカオンたちは、国立公園や野獣保護区をふくめた多くの土地で、ほとんど根絶やしにされた。

リカオンが獲物の鼠蹊部(太もものつけね)に食いつき、引き裂く光景は、もちろん吐き気をもよおすものである。だが同時に、その時、襲われた動物が、わたしたちの想像するほど痛みを感じるかどうか、ということは疑問だ。

これについて、ライオンに襲われた人の体験談ーたとえばリビングストーン博士の場合がいい例である。また戦場で重傷を負った兵士の場合にも、よくそういう例がある。かれらは肉体的ショックと、ときには精神的ショックのため、ふかい傷を受けても、すこしあとになるまで、なにも感じなかったと言っている。

リカオンが獲物を倒す時、不運な相手が命を絶たれるまで、じつに長い時間を要するように思われることがよくある。だが、わたしたちが時間を計測した39例のうち、38例は獲物が絶命するまで、わずか5分にすぎず、2分とかからずに絶命するものもずいぶんあった。のこる1例は、4頭のリカオンが一歳子のヌーを襲ったケースで、この時は獲物が死ぬまでに10分かかった。*

さて、この文章から考えれば、ハンターと同じく、リカオンだってそんな痛みを与えず、残酷な殺し方をしていないことになると思います。

私の意見では、武器を持った人間が丸腰の動物を銃で撃って殺すのは、絶対に不公平だし、そこはリカオンの殺し方とくらべたところで、まるで比べ物にならないのだから、リカオンを引き合いに出す必要はありません。リカオンに謝れ。

さらに、言わせていただくと、絶滅危惧種の動物を狩猟するハンターはいなくなればいいとおもうよ。

*罪なき殺し屋たち H・ヴァン・ラーヴィック J・グドール p38からの引用