テンベのリカオン 50|50のニュースより
11月25日の日曜日、南アフリカのテレビ番組50/50で、テンべ・エレファントパークにいるリカオンについて特集がありました。(今までテムべと書いていましたが、動画をみると、みなさんテンべといっているように聞こえるのでテンべでいきます。)
過去に何度もこのブログで取り上げていたのですが、いよいよ南アフリカでもニュースになり、今はその放映をYouTubeで見ることができるようになっていました。このニュースを見ることができて本当に嬉しいです。
なんと、番組の半分は南アフリカの現地の言葉でした。そりゃそうですね、南アフリカのニュースだもんね。どうやら南アフリカには、10くらいの公用語があるようで、どの言葉が使われているかもわからなかったのですが、英語で字幕があったので何とか理解できました。
まず、リカオンが野生にいるということは、生態のバランスがとれるので推奨されているようです。例えば、レイヨウ類の増えすぎを防ぎます。テンべの地元ではリカオンを再導入することに賛成でしたが、ある時に、リカオンが指定の保護区から逃げてしまい、家畜を食べたということが問題となり、地元と保護区の管理者との軋轢がうまれました。
家畜食べられた地元民は、リカオンのせいにすることで保証金をもらうことができたため、その制度が悪用されました。その費用の捻出も難しく、まるでリカオンが問題の動物のように扱われていました。
しかしながら、地元ではリカオンがいることで観光資源になるし、リカオンのお世話をする人も必要なため、雇用を生み出すことになるので、リカオンは歓迎したいのです。それを聞いただけでほっとしました。
では何が問題かと問うと、やはりマネージメントの仕方が良くなかった、という意見が大半のようです。実際、マネージメントがしっかりとしていれば、2011年にリカオンが再導入されてから、たった7年でこんなに問題になることはなかったはずです。何年もの間、ずっと問題がおきており、マネージメントが勝手に地元の人がリカオンを嫌いだからと決めつけて、ついにリカオンを追い出したいと勘違いされて、1年もの長期間、リカオンはボマに囲われてしまっていたのです。そんなに長いあいだ囲われた所にいたら、狩をする能力も落ちるし、他の捕食獣から身を守る能力も落ちてしまいます。すでに4から5頭のリカオンが危ないのではないかと心配されています。
リカオンの保護は移動距離が広すぎるためとにかく大変なので、地元の理解と協力が必要不可欠なのです。そして、リカオンや野生動物に対しての正しい教育も本当に必要なことなのです。テンビエレファントパークでリカオンを保護しないことになれば、今後リカオンが戻ってくることはないだろうと予想されています。地元の人としてもそれは避けたいところなのです。
ようやく、コミュ二ティーとマネージメントが話し合いをした結果、お互いがリカオンをパークに欲しがっていることがわかりました。この貴重な14頭のリカオン達もボマから解放される日が近いでしょう。
コミュニケーションというのがどれだけ大事かよく分かりました。人間同士のコミュニケーションよりも、リカオンのコミュニケーションのほうが優れているのでは?と思うほどですね。人間も、言いたいことは上手に伝え、相手の話を聞くこと、仮説で判断しないことなどが大切です。人間はリカオンから学ぶことがたくさんあります。