絶滅危惧種リカオンの応援ブログ

絶滅危惧種のリカオンに関する情報を発信し、保護活動に貢献することを夢見るブログ

リカオンについての説明や情報を発信しています。2018年から投稿を始めました。アフリカにあるリカオンの保護団体や、動物園からのリカオンに関する情報、リカオンに関する情報はなんでも投稿しています。

リカオンの新たな研究|フェロモンでストレス緩和

リカオンも含む、絶滅危惧種のイヌ科の動物を守る方法の研究が進んでいるようです。オーストラリアにあるジェームスクック大学の研究者のニュースをみつけました。

vetpracticemag.com.au

記事によると、この研究者たちはリカオンディンゴ、オオカミなどのストレスをフェロモンを使って緩和させることができると考えているようです。

授乳中の母親の乳腺から発せられるフェロモンは、子いぬだけでなく、成犬もそれを嗅いだときに落ち着く作用を持っていると、ダミアン・パリスさんは話ています。

現在世界中に存在する36種類のイヌ科の動物のうち、2種が絶滅危惧種のCE扱い(Critically Endangeredという意味で、絶滅危惧の中でもかなり絶滅に近いという非常事態)のダーウィンギツネとレッドウルフ(赤みがかかった灰色オオカミ)、3種が絶滅危惧種、(エチオピアウルフ、リカオン、ドール)、5種がかなり絶滅危惧にさらされており、(ヤブいぬ、タテガミオオカミ、セチュラギツネ、コミミイヌ)その他のイヌ科の動物も地域によってはかなり個体数が減っている状況です。

リカオンを含むイヌ科の動物たちの個体数の減少には人間との軋轢が一番の原因で、生息地の減少、交通事故、迫害、違法の密猟などが挙げられます。動物たちの保護活動の一つに、点在する保護地区の個体の移動が含まれるのですが、それが野生の動物にとってはかなりのストレスになるようです。

これは、移動中のリカオンです。ゴロンゴーザ国立公園に連れて行かれる途中。Photo by Wildlife Act.

f:id:fuchsiapink:20210622005113j:plain

飛行機で移動しました。麻酔で眠らされていますがたしかにストレスになりそうです。

f:id:fuchsiapink:20210622005226j:plain

しかし、研究者はフェロモンを使って移動時のストレスを緩和し、個体同士の争いを減らすことができるのではないかという仮説を発表しました。過去に、家犬のフェロモンで保護下のリカオンが落ち着いたという事例もありました。

研究家たちは、種特有のフェロモンのほうがより効果が高いと考えているため、近いうちにリカオンのフェロモンも取り出せないかと来月実験を開始する予定です。

もしこの研究の結果が成功すればリカオンだけでなく、ほかのイヌ科の動物や、霊長類や人間にも応用できるのではと考えているようです。

 そうかぁ、授乳中のリカオンのフェロモンというのはすごい力をもっているんだなぁ。英語の記事ではそのフェロモンを、appeasing pheromonesという表現をしていたけど、なだめフェロモンというふうに訳すのかしら?なだめフェロモンで、リカオンが落ち着いて移動できればいいのだけど、その技術がもし成功したら人間にも活用できるだろうなと思うよ。人間もリカオンも同じ生き物だからね。