絶滅危惧種リカオンの応援ブログ

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リカオンについての説明や情報を発信しています。2018年から投稿を始めました。アフリカにあるリカオンの保護団体や、動物園からのリカオンに関する情報、リカオンに関する情報はなんでも投稿しています。

リカオンの本|ウェンディとウィルバーのお友達救出大作戦

Endangered Wildlife Trustというリカオンの保護団体のフェイスブックに14歳のローラさんが書いた絵本が紹介されていたので、拙い日本語訳をしてみました。イラストはKhanya Peacockさんが描かれているのですがとても可愛いです。心温まるリカオンの兄弟のお話です。こちらがオリジナルの絵本のリンクになります。↓

https://www.ewt.org.za/wp-content/uploads/2020/09/Wendy-and-Wilbur_FINAL_Illustrated-1.pdf

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あるところに、ウィルバーと言う名のリカオンがおりました。ある日ウィルバーが妹のウェンディと遊んでいると、困った声が聞こえました。

「ウェンディ、ウィルバー、恐ろしいことが起きたんだ!」リクガメのティリーができるかぎりの大急ぎでやってきました。

「ティリー、どうしたの?」ウェンディーが心配になってたずねました。

「ウェンディ、信じられないかもだけど、僕と同じリクガメのティモシーが歩いていたら、間違って誰かの庭に迷い込んじゃったんだ。それで、ドアが閉まっちゃったもんだから、ティモシーがフェンスの中にとじこめられたんだ!ティモシーは、誰かに連れてかれちゃうんじゃないかとか、ペットにされちゃうんじゃないかって怖がっているんだよ。」ティリーは取り乱してそう言いました。

「ティリー、心配しないで。みんなでどうにかしてティモシーを助けるよ!」ウィルバーは力強くそう言いました。そしてウィルバーとウェンディーはティモシー救出作戦を考えはじめました。

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その夜、二人は友達全員をあつめて、ティモシーをどうやって助け出すかの作戦会議をしました。ハゴロモヅルのボビーはみんなでフェンスを乗り越えるのはどうかと言いましたが、ウオクイフクロウの家族の一員のピッパはフェンスが高すぎるからその案はダメだろうといいました。みんなはあれこれとティモシーを助け出すアイデアを出し続けました。サイのロニーは、フェンスを倒したらどうかといえば、うさぎのローナは穴を掘ったらどうかと言いました。

みんなは、もうちょっと年上の仲間に意見をきいてみるのがいいんじゃないか、と言うことになりました。そこでミナミメンフクロウのアーニーを訪ねることにしました。アーニーはとても賢いお年寄りで、みんなはいつもは問題があるとアーニーに相談しにいっていました。

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「みなさんお揃いで、こんな遅い時間にどうなさったのですか?」アーニーは言いました。「友達が間違って誰かのフェンスの中に閉じ込められてしまったのです。それで、救出作戦を考えているんだけれど、みんなそれぞれ違う意見なんです。あなたはいつも問題解決が上手だから、僕らをたすけてください」ウィルバーが言う言葉に、くすくすと笑いながらアーニーはいいました。「ウィルバー、あなたの他と違うということが、強みでもあるのですよ。ロニーは大きくて強いですし、ピッパは静かにそっと動くことができます。みんなの強みをあわせてみたら、きっとお友達を助け出すことができますよ。」

「アーニー、ありがとうございます!」そしてみんなはまた計画を練り直しました。

結局、フェンスの中の人々はロニーのことを見るのが大好きなので、ピッパが木の上から見張りをしている間、ロニーがおとりになって家の前をうろつく事にして、ローナは家の裏でフェンスの下に穴を掘る事になりました。ウェンディはピッパの反対側の見張りをして、人々がロニーから気を散らしていないかの監視することになりました。

ローナがフェンスの下からティモシーを探しに行っている間、ボビーとウィルバーは家の裏側にいて、ウィルバーはなにかあって救出作戦を中止しなくてはならなくなった時は、ローナの後を追うことになりました。

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なにも問題なく救出作戦は終わり、ほどなくしてティモシーは家から抜け出し、ゆっくりとウィルバーとウェンディーのところにやってきました。

ティモシーが、どうやって助けてくれたのかを訪ねると、ウィルバーは前の晩にアーニーが停まっていた木をみあげながら秘密の笑みをうかべて、「小鳥が教えてくれたんだ」と言いました。(多くの人間がアーニーのことを探していたので、誰もアーニーに相談しに行ったことは口にしませんでした。)

ウィルバーとウェンディ、そして仲間たちは大冒険の後はすっかり疲れてしまったので、朝に待っている新たな冒険のために、安心してお家に帰ってぐっすりやすみました。おしまい。

Copyright: Endangered Wildlife Trust, Ms. Lola Moultrie, Ms. Khanya Peacock

 

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ここからは感想。

14歳にしてこのような絵本を書かれたローラさんは素晴らしいです。きっとリカオンのことが好きなんだろうなと想像します。それに、友情や仲間同士での協力することの大切さ、ほかと違うことは自分の強みになるということも知っているなんて、なんとしっかりした14歳なのでしょうか。自分がティーンの頃はリカオンのことも知りませんでしたし、世の中のためになることは何一つできていませんでした。ローラさんのことをとても尊敬します。登場人物に誰も悪人がいないところも好きです。人間も悪さをしたわけでもなく、ほっとするお話だと思いました。