リカオンの毛皮
リカオンは毛皮が独特で、同じパターンの毛皮のリカオンは一頭もいないので個体識別に役立てられます。生まれた時は黒と白。これは生まれてすぐは、真っ暗い巣穴で過ごすためカモフラージュになるからです。2ヶ月ほどで、茶色や黄土色の毛になっていきます。白いところは生まれてから一生を通して変わりません。
そこで、私が初めて個体識別ができるようになったズーラシアのリカオン、プラリネさまを例に検証してみましょう。こちら、2018年春に撮影したプラリネさま。彼女は白いところが多いので、ズーラシアのその他のリカオンと比べてすぐにわかります。
こちらは、プラリネさまが幼少の頃のお写真。ズーラシアを訪れたかたのブログからお写真拝借しています。(manyamou02さまのブログ)確かに白いところ同じです。
こちらが、さらに幼い頃のプラリネさま。一般公開直後のズーラシアのTwitterからのお写真。やっぱ白いところおんなじですね。
もう茶色の毛が混じっているので生後2ヶ月を超えている頃でしょうかね。
私がよく参考にしているリカオンの保護団体、Painted Dog Conservationによれば、リカオンの毛皮は、生まれた時はほぼ黒と白、その後5週間くらいから黒いところが、茶色に変わってきます。生後14週間で大人になったときの毛皮のパターンが定着するようです。
リカオンの毛皮はそのほか、地域によっても変化があるようです。例えば、東アフリカのリカオンは、主に黒い毛に小さい白いブチがありますが、南アフリカのリカオンは、黒、茶色、白が混じり合っているようです。毛皮の色は少し変化がありますが、種類が違うという意味ではなく、その土地にあった毛皮になっているようです。
あと、毛が白いところの地肌白くて黒いところの地肌は黒いのか気になったので、ズーラシアの飼育員さんに聞いてみたら、そういうわけでもないようです。リカオンの専門家は、確かにリカオンの肌は黒かった、とおっしゃっていました。
余談ですが、この毛皮についての事実を友人に話したら、彼女はリカオンに全く興味がを持っていない、むしろリカオンを清潔感がない!とちょっと嫌ってさえいる感じなので、一言、「そんなの三毛猫だって同じパターンのなんていないじゃん、同じのいたら気持ち悪いよ!」とバッサリ。しかしよく考えたら、確かに、ヒョウだって、シマウマも、牛も、飼い犬だって同じ模様のなんていないはず!!!!おっしゃる通りで返す言葉もありませんでした。
「リカオンの毛皮は独特でわかりやすいため、個体識別に使われる。」
さて、ここでリカオンがどうしてまだら模様なのかを、アメリカにあるタルサ動物園が説明していました。どうやら、獲物に対して、リカオンが群れに何頭いるのか分からなくするためだそうですよ。確かに、リカオンどうしがくっついていたら、人間の我々にも分かりにくい!そういう工夫がされている模様だったのですね!